脂質のお話 ~糖質依存から脂質をエネルギーに変える③~
こんにちは!オーソモレキュラー認定ONEの Suashi 岡本です😊
ここでは「オーソモレキュラー栄養学」的な物の見方で、自身が学んだ栄養学に関する知識の整理の為にブログをアップしています。私の物の見方も入ります。決して「~は身体に悪い」とか「~を摂取した方が良い」とか制限や決めつけはなく、あくまでも人の身体の構造や体内での化学反応に注目した内容となっています。
ブログを読んでくださった方が、もっとご自身の身体に興味を持ち、何を食べるか、どう食べるか考えるきっかけになれれば嬉しいです😊
前回のお話の続きです。
今回で脂質のお話は一旦終了です。
最後に脂質で一番テーマにしたかったのは「ケトン体」のことです。
ケトン体とは体内の脂肪の分解で生まれる物質(アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸、アセトン)の総称です。
人間が飢餓時や絶食時において、グルコース(ブドウ糖)の代わりに脳のエネルギー源として使われます。
ケトン体は脂肪酸の分解により肝臓で作られ、血液中に放出、その後様々な臓器で日常的にエネルギー源としても利用されます。
ただし、グルコース(ブドウ糖)が体内に入るとケトン体は産生されません。
糖質を取らないで、脂質を食べるとケトン体が産生されるのです。
以前にもブログに書きましたが、本当に極端な話、人間は糖質を取らなくても脂質とタンパク質で生きていくことができます。
身体の細胞で赤血球のみグルコース(ブドウ糖)をエネルギーとして作られますが、その他の多くの細胞はグルコースがなくても脂肪酸を分解してエネルギーを産生することができます。
赤血球を作るのに必要なエネルギーは肝臓で作られる糖(糖新生)で賄える量で足りるそうです。
なぜ赤血球のみ脂肪をエネルギーに変えられないのか、赤血球は核を持たない細胞です。
細胞内にミトコンドリアを持たないのです。
このミトコンドリアと脂肪の関係の話が非常に興味深いです😊
それは遥か20億年前にさかのぼります。
ここからは前回のブログ「原始生命から考えるエネルギー源の話」の
おさらい。
真核生物の細胞に入ったミトコンドリアは、脂肪を取り込み細胞のエネルギーとして利用できるようになります。
糖だけが唯一のエネルギー源だった原核生物がミトコンドリアのおかげで第二のエネルギー源として脂肪を使えるようになったのです。
そして、エネルギーや糖質が不足してくると第三のエネルギーとしてケトン体を使うようになります。
(宗田哲男先生の動画から抜粋)
では、この第三のエネルギー源、ケトン体はどのような働きがあるのでしょうか。
以下オーソモレキュラーのテキストから引用。
従来、糖質は生存に不可欠な栄養素とされ、主要エネルギー源として重要視されてきた。
また、「脳の唯一のエネルギー源がブドウ糖(グルコース)である」と信じられていた。
しかし近年、肥満や糖尿病など糖質の過剰摂取がもたらす病態が問題となっている。また、糖質の他にケトン体も脳のエネルギー源となることが広く理解され始めている。それにともなって、糖質制限による健康管理の手法が登場した。
特に、糖質を極端に制限してケトン体の放出を促す食事法が「ケトジェニック・ダイエット」として注目されている。高タンパク・高脂質の食事を摂りながら糖質の摂取を制限し、意図的に糖新生(タンパク質などから糖質を作るシステム)が行われるように仕向けるものである。
~中略~
ケトジェニックダイエットを行うと、徐々に生体のエネルギー基質の中心がケトン体へ移行するようになる。十分なカロリーとタンパク質代謝が保たれると、筋肉量を保ち、基礎代謝を低下させることなく効果的なダイエットが得られるようになる。
ケトジェニック・ダイエットでは食事による血糖値の変動が小さいため、血管への負担が軽減されるというメリットがある。なお、健康な成人においては尿ケトン陽性が継続することによる直接的な有害性はないと考えられている。
糖質制限に関する研究はまだ成熟していないので結論はでていないが、ケトジェニック・ダイエット(糖質摂取量は1日50g以下が目安)実践者からは、以下のようなさまざまな報告がある(ただし、個体差が大きい)
・除脂肪効果
・血糖値の低下
・食後の眠気が起きない
・頭が冴え、すっきりする
・睡眠が深まる
引用終わり
ケトン体質に変えることによって、その他様々なメリットを聞きます。
(循環器系の疾患予防や認知症予防等)
私自身はケトジェニックダイエットは行っていませんが、非常に興味があります。
現在 Facebook のグループサイト「糖質制限・ケトン体の奇跡」というグループのメンバーに入ってます。
日々様々な方のケトン体の数値や体調などの報告を眺めている状況ですが、人によって中々「ケトン体質=ケトン体をエネルギーに変える」のは困難なようで、少し様子を見ている所です。
私自身の希望としては、ケトン体質になって、頭が良くなりたい!と本気で思っています(笑)
年齢と共に衰える記憶力の低下に歯止めをかける為と認知力の低下予防に。
余談ですが、女子陸上注目のスプリンター世古 和さんも糖質制限をして、あの福島 千里さんを
破ったそうです。(糖質制限だけが勝利の理由ではないですが。)
昔、私自身がマラソン大会によく出た時には「カーボローディング=糖質を摂取し、グリコーゲンを身体に蓄える」なんてことは当たり前でしたが、現在はどうなのでしょうか。
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