アルツハイマー病 真実と終焉
こんにちは!オーソモレキュラー認定ONEの Suashi 岡本です😊
ここでは「オーソモレキュラー栄養学」的な物の見方で、自身が学んだ栄養学に関する知識の整理の為にブログをアップしています。私の物の見方も入ります。決して「~は身体に悪い」とか「~を摂取した方が良い」とか制限や決めつけはなく、あくまでも人の身体の構造や体内での化学反応に注目した内容となっています。
ブログを読んでくださった方が、もっとご自身の身体に興味を持ち、何を食べるか、どう食べるか考えるきっかけになれれば嬉しいです😊

私が昨年から学んできた「分子栄養学実践講座」での推薦図書「アルツハイマー病真実と終焉」。
アルツハイマー病などの神経変性疾患の世界的権威であるデール ブレデセン博士の著書です。
最近読んで非常に感銘を受けたこともあり、現在親が認知症である方や、私自身の記憶力の衰えなどもあり、私と同年代以上(40代以上)の多くが抱える社会問題ともいえる「認知症」
その中で脳血管性認知症とレビー小体型認知症と並んで最も多い「アルツハイマー型認知症」の予防と治療についてご紹介いたします。
もちろん著書を実際に読んでいただくのが一番いいですが、ちょっと一般の人には難しい内容かな?と思い、私の方でかなり掻い摘んで、とあと実践講座で学んだことも盛り込んで、できるだけわかりやすい内容にしています。
でも本気で「アルツハイマー型認知症」と向き合いたい方は、是非本書を読むことをお勧めいたします。
分子栄養療法との共通点
私がなぜこの本を読んで感銘を受けたかというと、今まで学んできた分子栄養学の知識がこのアルツハイマー病の予防と治療につながると知ったからです。
私が学んできた「個別化栄養療法」での「脳機能の改善」とこの著書で紹介されているブレデセン博士の開発した「リコード法」、この二つの共通点は人によって原因は異なり、治療法も異なるということです。
「リコード法」については後ほど説明しますが、ブレデセン博士はアルツハイマー病を引き起こす36の要因があり、そのことを「屋根に空いた36個の穴」と表現されています。
仮に薬で一つや二つの穴をふさいでも、雨漏りは防げないということです。
現在アルツハイマー病を治療する効果的な薬はないと言われています。
米国アルツハイマー協会では「止める薬はない」と発表しています。
フランスでは効果がないとのことで保険から外されています。
それはなぜか?
アルツハイマー病は一つの疾患ではなく、複数の病態が絡んでいるからです。
アミロイドβ(ベータ)は本当に諸悪の根源なのか?
脳の神経細胞間のつなぎ目と言われているシナプスを破壊する粘着性のプラーク、これがアミロイドβと言われているタンパク質のかけら。(老人斑とも呼ばれています。)
一般的にはこの“アミロイドβ” がアルツハイマー病の原因とよく言われていますが、ブレデセン博士は「アミロイドβは脳の防御反応によってできる」との事、
要は
アミロイドβは原因ではなく、結果。
世界中の研究者や製薬会社がこのアミロイドβを消す薬を開発しても効果がほとんどなかったのは、いくらこのアミロイドβを消しても、根本原因ではないので結果的にアルツハイマー病は治らなかったのです。
では、脳は何に対して“防御反応”を起こしているのでしょう?
炎症、栄養不足、ホルモン不足、毒物への曝露に対する防御反応です。
脳は脳自体を守るために、アミロイドβを産生しますが、防御反応が過剰になり、アミロイドβも過剰に作られ、結果として脳神経を破壊していきます。
私は実践講座の授業では、この破壊行為は脳が重要なネットワークを守るために脳をダウンサイジングする(=脳の萎縮)、炎症、栄養不足、毒物の影響で現在の脳機能を維持できないと体が判断し“リストラ”を行うと表現しています。
後から雇われた人から、解雇されていく法則。昔の記憶よりつい最近の記憶から忘れていくということらしいです。
リコード法とは
ブレデセン博士が開発したリコード法を実践したアルツハイマー病患者は早期アルツハイマー病であれば9割が改善したと記載があります。
ではその「リコード法」とは、
認知機能の低下(COgnitive DEcline) の回復(Reversal) から ReCODE (リコード)という意味で名づけられたそうです。
先にお話した「屋根に空いた36個の穴」、ブレデセン博士はこの36個の因子を
1人1人調べ、その人のアルツハイマー病の原因となる因子を特定して個別治療プログラムを組む、これがリコード法です。
では、具体的にその治療方法をお話する前に、アルツハイマー病の原因となる異なる3つのタイプから説明します。
こちらは脳の防御反応を起こす「炎症」、「栄養不足(ホルモン不足)」「毒性」からタイプが異なります。
ここからは実践講座での説明の方がわかりやすかったので、著書内容とは別に引用しています。
アルツハイマー①型 炎症性
「炎症」って一般的には、身体の一部に熱や痛み、赤みなどが出る症状です。
上記症状だとわかりやすいのですが、実は下記の症状もしくは状態も「炎症」です。
簡単に言うと、内臓脂肪型肥満や脂肪肝なども「炎症」です。
☆あらゆる病原菌と砂糖、グルテン、カゼイン、トランス脂肪酸の摂取が炎症の原因となることがあります。
☆巨大化した内臓脂肪から出る炎症性物質、インスリン量が増加すると、脳のアミロイド排泄機能低下。
☆リーキーガット(腸漏れ症候群)詳しくは以前のブログをご参照ください。
☆血液検査でのCRPは炎症マーカーです。身体のどこかに炎症がある場合は数値が上がってきます。
☆ApoE4遺伝子は炎症を促進させ、炎症を抑える遺伝子を制御します。(ApoE4については後ほど説明します。)
☆歯周病、副鼻腔炎、上咽頭炎等あらゆる炎症。
DNAに含まれる時限爆弾「ApoE4 アポイーフォー」
ApoE4は最も強力なアルツハイマー病の遺伝的危険因子といわれています。
ApoE4を一つ保有している(片方の親から受け継ぐ)場合は、アルツハイマーにかかるリスクは30%に上昇し、二つ保有していれば(両方の親から受け継いだ遺伝子)そのリスクは50%以上。
このApoE4遺伝子が一つもなければリスクは9%だそうです。
①型はApoE4を一つもしくは二つ保有する場合が多い。
アルツハイマー②型 萎縮性(栄養、ホルモン不足)
2型タイプは通常新しい記憶が失われるが、言語、執筆、計算能力は保たれる場合が多いそうです。
脳シナプスの総合的サポートが枯渇している状態です。
ApoE4を一つもしくは二つ保有している場合が多いそうです。
☆甲状腺ホルモン、副腎ホルモン、エストロゲン、プロゲステロン、テストステロン、プレグネノロンを含めたホルモン値が低下している。
☆ビタミンD不足
☆インスリン抵抗性が生じている可能性があるが、インスリン値が低すぎる。
☆ホモシステイン値が高い可能性がある。ホモシステインが高いと血管と脳にダメージを与える。
アルツハイマー③型 毒物性
3型タイプは記憶の喪失というよりも番号や会話、整理などを含めた認知的困難から始まるそうです。
脳がシナプスを作るより早く破壊します。最近の記憶のみならず過去の記憶の喪失があります。
ApoE4を保有していない場合が多いそうです。
☆血中亜鉛濃度が低い。銅/亜鉛バランスが悪く銅過剰。
☆毒物曝露歴がある。(歯の充填剤アマルガム、有害化学物質、マイコトキシン等)
☆強いストレス
☆うつ病が認知機能低下に先行、あるいは不随
☆頭痛は早期の症状で、最初の症状であることもある。
☆男女ともに更年期の頃に症状が発現(3型はホルモン状況が密接にかかわっているため)
①型、②型、③型アルツハイマーの特徴はつかめましたでしょうか?
ご自身やご家族の認知機能低下の原因がイメージできるでしょうか?
実際に「リコード法」ではあらゆる検査をしていくつかの原因を突き止めます。
それが、「コグノスコピー 認知機能検査」となります。
コグノスコピー(認知機能検査)
「あらゆる検査」と書きましたが、屋根に空いた36個の穴の原因を突きとめるには下記のような検査をします。ここではあえて記載しませんが、著書には詳しい適正値が載っています。
まずは現在の認知機能を調べる
MoCA 検査
ApoE4を持っているか調べる
遺伝子検査
隠れた炎症を調べる
血液検査(CRP , 血糖値、インスリン、各種ビタミン、コレステロール、ホモシステイン等)
栄養不足を調べる
血液検査(ビタミンD、各種ホルモン量等)
毒素が体内にあるか調べる
血液検査(水銀、ヒ素、カドミウム等)
ミネラルを調べる
血液検査(マグネシウム、銅、亜鉛、カルシウム等)
睡眠を調べる
睡眠外来などで検査(睡眠時無呼吸症候群)
アルツハイマー病にならないための食事と生活習慣
それで結局「リコード法」とは、先に説明したあらゆる検査で原因を特定して、炎症があればそこを局所的に治療し、栄養不足であれば、食事指導やサプリメント等で補給、重金属などの毒素が原因であれば、デトックス等を医師の指示の元で行うことです。
患者一人一人にオーダーメード化したプログラムが組まれ、患者自身がこのプログラムに沿った食事と生活習慣に変える必要があります。認知機能低下が進んだ状況ですと、家族の協力は必須です。
では、具体的にどんな食事と生活習慣が認知機能低下を回復させ、または予防できるのでしょうか?(ここでは著書に記載されていることをいくつか抜粋)
ケトフレックス12/3 (トゥエルブスリー)
ケトはケトーシスの事。肝臓が脂肪を分解し、ケトン体を産生しエネルギーに変えてくれます。
炭水化物が足りなくなると、軽いケトーシス状態になります。これが認知機能には最適な状態です。
フレックス(穏やかな菜食主義)
主に野菜中心だが、非でんぷん質の野菜。肉、魚はメインディッシュではなく薬味程度、低糖質食。タンパク質は体重1kg に対してタンパク質量1g が目安。例 体重50kg の人は1日50g のタンパク質量。
12 / 3(トゥエルブスリー)の12は夕食後から翌日の朝ごはんまでの時間12時間は間隔をあけること。絶食することでケトーシスを引き出すのに効果的であり、インスリンの感受性を改善させることで認知機能を高める。
3は夕食終了時と就寝時間までの間少なくとも3時間は明けるということ。就寝前にスナックなどを食べて血糖値を上げ、インスリン値が急上昇してしまうとインスリン抵抗性(インスリンが効かなくなる)だけでなく寝ている間に分泌されるホルモン(メラトニン、成長ホルモン等)が抑制されて睡眠の質や免疫機能にも影響がでる。
例えば、夕食を19時までに済ませ、23時に就寝。翌朝7時に朝食。
リーキーガット(腸漏れ症候群)を予防し、腸内環境を整える
小麦や乳製品の食事をできるだけ取らない。腸環境が整ったら、乳酸菌などのプロバイオティクスや腸内のビフィズス菌などの餌になるプレバイオティクスを摂取し、腸内フローラを最適化させる。
バフーダトライアングル(Berfooda Triangle) を避ける
船や飛行機にとっての危険地帯「バミューダトライアングル」をもじって名付けられたそう。
特にダメージが大きい食事の3要素。
①単純炭水化物(ブドウ糖やショ糖等)
②飽和脂肪(肉、牛乳、パーム油等)
③(水溶性、脂溶性)食物繊維の不足
例えば、チーズバーガー、ポテト、ソフトドリンク
良質の脂肪を食事に取り入れる
アボカド、ナッツ、シード、オリーブオイル等を積極的に摂取。
定期的な運動
運動には様々な認知機能を改善させる効果がある。
☆インスリン抵抗性を減少させる(血糖値を調整するインスリンはアルツハイマー病の進行に大きく関わる)
☆ケトーシス状態を促進させ、ニューロンやシナプスを支える重要な分子BDNF の産生を増やす
☆アルツハイマー病において萎縮する海馬を大きくする
☆ストレスの軽減
☆睡眠の改善
質のいい睡眠
☆睡眠時無呼吸症候群であれば適切な治療を
☆8時間睡眠を目指す
☆プロゲステロンの減少で睡眠の質の低下。女性ホルモンであるプロゲステロンは女性、男性にも関係する。同じ女性ホルモンであるエストロゲンの一種であるエストラジオールの数値が高く、プロゲステロン値が下がってくると睡眠の質の低下、不安、頭のもやの原因となる
これは更年期障害にも関係する。
ストレスの影響
ストレスは認知機能低下やアルツハイマー病のリスク要因を増やす。
(血糖値、肥満、リーキーガット、心血管疾患のリスク等)
ストレスは抗ストレスホルモンといわれるコルチゾールを分泌させ、高コルチゾール値だと脳に有毒であり、海馬への影響がある。
最後に。。
「アルツハイマー病 真実と終焉」を読み始めて、このブログを書き終わるまで一か月ほど時間を要してしまいました。
本を読み終わるまでも時間かかりましたし、最初の章あたりの内容とか忘れてたり(これぞ認知機能低下!)でもなんとかブログでまとめ上げたくて、ホントはもっとお伝えしたいことは沢山ありましたが、普通の会社員の方(40代以上)にも理解できる内容になっていれば本望です。
その後、実際にこの本を手に取って読んでみてほしいです。
私自身の認知機能低下(人の名前をすぐに忘れる、二階に物を取りに行って、あれ?何を取りに来たんだっけ?ってなる。。海馬の萎縮か??)の改善も必要だと思いますし、フットケアの仕事で介護施設にも行くことが多いのですが、利用者さんの多くが認知症で介護するスタッフの不足の問題も肌で感じています。
そんな状況を見ていると「私、認知症になってられないな」と、皆さん当たり前ですが、認知症に好きでなっている人はいません。
アルツハイマー病は20~30年かけて私たちの脳をむしばみ始めます。だから今からできることをやる!は大切だと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
フットケアサロン Suashi 👣素足